ごま油 と オリーブオイル どっちがいい
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ごま油とオリーブオイル、どっちがいい?違いと使い方を徹底解説

料理に欠かせない油ですが、ごま油とオリーブオイルどっちがいいのか、と迷った経験はありませんか。それぞれの風味や成分の根本的な違いはもちろん、気になる栄養価やカロリー、そして健康やダイエットに与える影響についても詳しく知りたいところです。

また、2つの油を混ぜるとどうなるのか、あるいはオリーブオイルとごま油の代用は可能なのかといった日々の調理に関する使い方から、少し専門的な太白ごま油とオリーブオイルの比較まで、様々な疑問が思い浮かぶかもしれません。

さらに、ごま油は健康に良いですか、毎日食べても大丈夫なのでしょうか、ごま油を炒めたらダメな理由は何ですか、といったごま油にまつわる具体的な不安をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。この記事では、そんなあなたのあらゆる疑問に、専門的な知見から分かりやすくお答えしていきます。

この記事を読むことで、あなたは以下の点について深く理解できます。

記事のポイント

  1. ごま油とオリーブオイルの栄養価やカロリーなどの基本的な違い
  2. 健康やダイエットにおけるそれぞれのメリットと注意点
  3. 料理に合わせた最適な使い分けと代用の可否
  4. ごま油に関するよくある疑問への具体的な回答



記事のもくじ

ごま油とオリーブオイルどっちがいい?基本性能を比較

ごま油 と オリーブオイル どっちがいい

ごま油とオリーブオイル、どちらも私たちの食卓に馴染み深い油ですが、その特性は大きく異なります。このセクションでは、二つの油が持つ基本的な性能に焦点を当て、風味や成分、健康への影響、そして日々の調理での活用法について、多角的に比較・解説していきます。どちらの油がどのような場面で最適なのか、その答えを見つけるための第一歩です。

  • 風味や成分などの決定的な違い
  • カロリーと栄養価を徹底比較
  • 健康やダイエットにおける効果
  • オリーブオイルとごま油の代用は可能か
  • 2つのオイルを混ぜるとどうなる?

 

風味や成分などの決定的な違い

 

ごま油とオリーブオイルを選ぶ上で、最も分かりやすい指標となるのが風味と主成分の違いです。これらは原料と製造方法に由来し、料理の仕上がりを大きく左右します。

 

原料と風味の特性

 

まず、ごま油はゴマの種子から作られます。特に私たちがよく目にする茶色のごま油は、ゴマを焙煎してから圧搾するため、特有の力強く香ばしい風味が生まれます。この香りは中華料理や韓国料理、和え物などのアクセントとして非常に効果的です。一方で、焙煎せずに製造される「太白ごま油」は、無色透明に近く、香りもほとんどありません。

対照的に、オリーブオイルはオリーブの果実を搾って作られます。特に「エクストラバージンオリーブオイル」は、まるでフレッシュジュースのように、オリーブ本来のフルーティーで爽やかな香り、時にはピリッとした辛味や苦味を感じられるのが魅力です。サラダのドレッシングやパンにつけるなど、非加熱でその風味を活かす料理に向いています。

 

主成分である脂肪酸の違い

 

油の性質を決定づける最も重要な要素は、含まれる脂肪酸の種類です。ごま油とオリーブオイルでは、この主成分が大きく異なります。

オリーブオイルの主成分は「オレイン酸」です。これはn-9系(オメガ9)に分類される一価不飽和脂肪酸で、比較的酸化しにくいという安定した性質を持っています。体内で悪玉(LDL)コレステロールを減らし、善玉(HDL)コレステロールは維持する働きが期待されるため、生活習慣が気になる方にとって注目すべき成分と考えられています。

一方、ごま油の主成分は「リノール酸」です。これはn-6系(オメガ6)の多価不飽和脂肪酸で、体内で生成できないため食事から摂取する必要がある必須脂肪酸の一つです。血中のコレステロール値を下げる働きがありますが、オレイン酸とは異なり、摂りすぎると善玉(HDL)コレステロールまで減少させてしまう可能性が指摘されています。また、多価不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸に比べて酸化しやすいという性質も持ち合わせています。

これらの違いを以下の表にまとめます。

要するに、香ばしさを求めるならごま油、フルーティーさを求めるならオリーブオイルという選択が基本です。そして、成分的には酸化安定性の高いオレイン酸が豊富なオリーブオイルと、必須脂肪酸であるリノール酸が豊富なごま油という、根本的な違いがあることを理解しておくことが大切です。

 

カロリーと栄養価を徹底比較

 

油を選ぶ際に、カロリーや栄養価を気にする方は非常に多いでしょう。ごま油とオリーブオイルは、どちらも健康的なイメージがありますが、実際の数値はどうなっているのでしょうか。

 

カロリーに大きな差はない

 

まずカロリーについてですが、ごま油もオリーブオイルも、その他の植物油と同様に、大さじ1杯(約12g)あたり約110kcal、100gあたりでは約890kcalです。これは、油がほぼ100%脂質で構成されているためであり、種類によるカロリーの差はほとんどありません。

したがって、ダイエットなどを目的に「カロリーが低いから」という理由でどちらか一方を選ぶ、ということはできないのです。油の摂取においては、種類を問わず、使用量をコントロールすることが最も基本的な鍵となります。

 

栄養価はそれぞれに特徴がある

 

カロリーに差はありませんが、含まれるビタミンなどの微量栄養素には明確な違いが見られます。ここでは、日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に、それぞれの栄養価の特徴を見ていきます。

栄養素(100gあたり) ごま油 オリーブオイル 特徴
ビタミンE (α-トコフェロール) 0.1 mg 7.4 mg オリーブオイルに豊富。強い抗酸化作用を持つ。
ビタミンK 31 μg 63 μg オリーブオイルに豊富。血液凝固や骨の健康に関わる。
セサミン 豊富 含まれない ごま油特有の成分(ゴマリグナン)。抗酸化作用で知られる。
ポリフェノール 少ない 豊富 エクストラバージンオリーブオイルに特に豊富。抗酸化作用を持つ。

 

ごま油の栄養的な強み

 

ごま油の最大の栄養的特徴は、ゴマリグナンの一種である「セサミン」を豊富に含んでいる点です。セサミンは、体内で強い抗酸化作用を発揮することで知られており、肝臓の機能をサポートする働きや、脂質代謝を改善する可能性が研究されています。ビタミンEも含まれていますが、オリーブオイルと比較するとその量は多くありません。しかし、セサミンがビタミンEの働きを助け、体内で効率的に機能するようにサポートするとも言われています。

 

オリーブオイルの栄養的な強み

 

オリーブオイルは、抗酸化ビタミンであるビタミンE(α-トコフェロール)が豊富です。細胞の酸化を防ぎ、若々しさを保つ手助けをしてくれます。また、血液の正常な凝固や骨の形成に不可欠なビタミンKもごま油より多く含んでいます。

そして、エクストラバージンオリーブオイルには、オレウロペインやヒドロキシチロソールといったポリフェノールが豊富に含まれている点が特筆されます。これらのポリフェノール類は、オリーブオイルの風味(苦味や辛味)を形成する要素であると同時に、強力な抗酸化作用や抗炎症作用を持つことが分かっています。

これらのことから、カロリーは同じでも、抗酸化作用の源となる成分が異なっていることが分かります。セサミンによる効果を期待するならごま油、ビタミンEやポリフェノールを重視するならオリーブオイル、という視点で選ぶことが可能です。

 

健康やダイエットにおける効果

 

ごま油とオリーブオイルが健康やダイエットにどのような影響を与えるかは、主に含まれる脂肪酸と微量栄養素の働きによって左右されます。どちらも適量を摂取すれば体に良い影響をもたらしますが、その内容は異なります。

 

オリーブオイルがもたらす健康・ダイエット効果

 

オリーブオイルの主成分であるオレイン酸は、健康面で多くのメリットが期待されています。

まず、コレステロールへの影響です。オレイン酸は、動脈硬化の原因の一つとされる悪玉(LDL)コレステロールを減少させる一方で、善玉(HDL)コレステロールは下げにくいという優れた特性を持っています。これにより、血液中の脂質のバランスを整え、心血管系の健康維持に貢献すると考えられています。

また、オレイン酸は比較的に消化吸収が穏やかで、満腹感を持続させやすいという特徴があります。食事にオリーブオイルを取り入れることで、食べ過ぎを防ぎ、ダイエット中の空腹感を和らげる助けになる可能性があります。

さらに、エクストラバージンオリーブオイルに含まれる豊富なポリフェノール類には、強力な抗酸化作用や抗炎症作用があり、体内の酸化ストレスを軽減して細胞の老化を防いだり、生活習慣病のリスクを低減させたりする効果も期待されています。

 

ごま油がもたらす健康・ダイエット効果

 

ごま油に含まれるセサミンは、強力な抗酸化物質として知られています。特に肝臓でその効果を発揮し、アルコールの分解を助けたり、肝機能を保護したりする働きが報告されています。二日酔いの予防や、お酒を飲む機会が多い方の健康維持に役立つかもしれません。

ダイエットの観点からは、セサミンが脂肪の燃焼を促進する可能性も示唆されています。エネルギー代謝を活発にし、体内に脂肪が蓄積されにくくする効果が期待できるのです。

しかし、ごま油の主成分であるリノール酸には注意も必要です。リノール酸は必須脂肪酸であり、適量であればコレステロール値を下げるなどの良い働きをします。ただ、現代の食生活ではサラダ油や加工食品などから無意識に過剰摂取しがちです。リノール酸を摂りすぎると、アレルギー症状を悪化させたり、体内で炎症を引き起こしやすくしたりする可能性が指摘されています。また、善玉コレステロールまで減少させてしまうこともあります。

 

摂取における注意点

 

どちらの油も、1gあたり9kcalと高カロリーであることに変わりはありません。健康やダイエットに良いからといって無制限に摂取すれば、当然ながら体重増加につながります。一日の摂取目安は、他の食事からの脂質量も考慮し、大さじ1~2杯程度に留めるのが賢明です。

以上の点を踏まえると、コレステロールバランスの改善や抗炎症作用を重視するならオリーブオイル、肝機能のサポートや特有の抗酸化成分を摂りたい場合はごま油、という使い分けが考えられます。ただし、ごま油のリノール酸については、過剰摂取にならないよう全体の食事バランスの中で考えることが大切です。

 

オリーブオイルとごま油の代用は可能か

 

料理中に「ごま油が切れてしまった」「レシピにオリーブオイルとあるけれど、持っていない」という場面は少なくありません。このような時、互いを代用することはできるのでしょうか。答えは「可能ではあるが、料理の仕上がりが大きく変わるため注意が必要」です。

 

風味の違いが最大の壁

 

代用する際に最も考慮すべきなのは、これまで述べてきた風味の根本的な違いです。

焙煎ごま油の香ばしい風味は、料理のアイデンティティを決定づけるほど強力です。例えば、ナムルや中華スープの仕上げにごま油の代わりにオリーブオイルを使うと、あの食欲をそそる香ばしさがなくなり、全く別の、どこか物足りない料理になってしまいます。逆に、ペペロンチーノやカプレーゼといったイタリア料理にごま油を使えば、香ばしさが強すぎてしまい、繊細なニンニクやハーブ、トマトの風味をかき消してしまうでしょう。

このように、料理の風味がごま油やオリーブオイルに大きく依存しているレシピの場合、代用は避けた方が無難です。

 

代用が比較的うまくいくケース

 

一方で、油の役割が「食材を炒めるための熱媒体」として主である場合や、風味付けの比重が低い料理であれば、代用は比較的成功しやすいです。

例えば、野菜炒めなどで、主たる味付けが醤油や塩コショウである場合、ごま油の代わりにオリーブオイルを使っても、最終的な味付けでカバーできることがあります。ただし、仕上がりはごま油を使った時よりもさっぱりとした印象になります。

また、オリーブオイルを使うレシピ、例えばシンプルなソテーなどで、香りよりも油としての役割がメインであれば、風味の少ない「太白ごま油」で代用することは非常に有効です。太白ごま油はクセがないため、食材の味を邪魔せずに調理できます。

 

代用する際のポイント

 

もし代用を試みるのであれば、以下の点を意識すると失敗を減らせます。

  • 少量から試す: 特に風味の強いごま油をオリーブオイルの代わりにする際は、まず少量だけ加えてみて、全体の味のバランスを確認しながら調整することが大切です。
  • 料理の種類を見極める: 風味を活かす料理(ドレッシング、マリネ、料理の仕上げ)での代用は慎重に行い、加熱調理での代用から試すのが良いでしょう。
  • 他の調味料で調整する: 代用によって失われた風味を、他のスパイスやハーブ、調味料で補う工夫も有効です。

したがって、代用は不可能ではありませんが、それぞれの油が持つ個性(特に風味)を深く理解し、料理全体のバランスを考えながら慎重に行う必要があります。

 

2つのオイルを混ぜるとどうなる?

 

ごま油とオリーブオイルを混ぜて使う、というアイデアに興味を持つ方もいるかもしれません。実際に、この二つを組み合わせることで、新しい風味の調味料を作ることができ、料理の幅が広がる可能性があります。

 

風味のカスタマイズが可能になる

 

混ぜる最大のメリットは、風味を自分好みに調整できる点です。

例えば、サラダのドレッシングを作る際に、オリーブオイルだけだと少し物足りない、もう少しコクが欲しいと感じる時に、ごま油を数滴加えることで、香ばしいアクセントと深みがプラスされます。ごま油とオリーブオイルの比率を「1:3」や「1:5」など、変えることで微妙なニュアンスの違いを楽しめます。和風やアジア風のサラダに特によく合うドレッシングが完成します。

逆に、中華風の和え物で、ごま油の香りを少しマイルドにしたい場合には、オリーブオイルを加えることで、香りが和らぎ、よりさっぱりとした仕上がりになります。

 

健康効果の相乗効果は期待できるか

 

成分の異なる油を混ぜることで、それぞれの健康効果を一度に得られるのではないか、と考えるかもしれません。確かに、オリーブオイルのオレイン酸と、ごま油のセサミンやリノール酸を同時に摂取することは可能です。

しかし、混ぜたからといって特別な相乗効果が生まれるという科学的根拠は現在のところ明確ではありません。それぞれの成分が持つ効果を、単純に足し合わせた形で摂取できる、と考えるのが現実的です。健康効果を最大限に引き出したいのであれば、それぞれの油の特性に合った調理法(例えばオリーブオイルは非加熱で、ごま油は香り付けに)で別々に使う方が、成分の損失も少なく効率的かもしれません。

 

混ぜて使用する際の注意点

 

便利な一方で、いくつか注意すべき点も存在します。

最も気をつけたいのは「酸化」です。前述の通り、ごま油の主成分であるリノール酸は、オリーブオイルのオレイン酸に比べて酸化しやすい性質を持っています。性質の異なる油を混ぜ合わせることで、全体の酸化安定性が低下し、保存期間が短くなる可能性があります。

もし混ぜて保存する場合は、光を通さない密閉容器に入れ、冷暗所で保管し、できるだけ少量ずつ作って早めに使い切ることをお勧めします。

また、加熱調理に使う場合は、それぞれの油の発煙点にも注意が必要ですが、一般的なごま油やピュアオリーブオイルはどちらも比較的高温に強いため、通常の炒め物程度であれば問題になることは少ないでしょう。

このように、ごま油とオリーブオイルを混ぜることは、風味のバリエーションを広げる面白い試みですが、保存方法には少し注意を払う必要があります。

 

使い方ではごま油とオリーブオイルどっちがいい?

ごま油 と オリーブオイル どっちがいい

基本的な特性を理解したところで、次はより実践的な使い方に焦点を当ててみましょう。特定の調理法や健康に関する疑問に対して、どちらの油がより適しているのかを深掘りします。日々の料理や健康管理において、より賢く、効果的に油を使い分けるためのヒントを探ります。

  • 太白ごま油とオリーブオイルを比較
  • ごま油を炒めたらダメな理由は何ですか?
  • ごま油は毎日食べても大丈夫?
  • 結局ごま油は健康に良いですか?
  • 用途で選ぶ!ごま油とオリーブオイルどっちがいい?

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太白ごま油とオリーブオイルを比較

 

一般的な焙煎ごま油とは一線を画す「太白ごま油」は、オリーブオイルと比較されることがしばしばあります。どちらも調理油として汎用性が高いですが、その特性は似ているようで異なります。

 

太白ごま油の特性

 

太白ごま油は、焙煎工程を経ずに生のゴマを圧搾して作られます。このため、焙煎ごま油のような強い香ばしい香りはなく、ほぼ無味無臭です。色は薄い黄色で、サラリとした質感が特徴です。

この「風味のなさ」が最大の利点であり、素材の味や香りを全く邪魔しません。そのため、和食、洋食、中華だけでなく、お菓子作りやパン作りにも使えるほどの万能性を誇ります。成分としては、焙煎ごま油と同様にリノール酸やオレイン酸、そしてセサミンを含んでおり、ごま油としての栄養的なメリットは享受できます。また、酸化安定性が比較的高く、加熱調理にも強い点も魅力です。

 

オリーブオイルとの共通点と相違点

 

太白ごま油と、精製されたピュアオリーブオイルは「風味が穏やかで加熱調理に使いやすい」という点で共通しています。どちらも炒め物や揚げ物など、日常的な調理全般に活用できます。

しかし、エクストラバージンオリーブオイルと比較すると、その違いは明確です。エクストラバージンオリーブオイルは、オリーブ由来の豊かな香りとポリフェノールを特徴とします。この風味を活かして、ドレッシングやマリネ、料理の仕上げに使うのが最適な活用法です。太白ごま油でこれを代用すると、風味の面で物足りなさを感じるでしょう。

 

どのような基準で使い分けるか

 

では、太白ごま油とオリーブオイルはどのように使い分ければ良いのでしょうか。

  • 素材の味を最大限に活かしたい場合 → 太白ごま油 繊細な味わいの和食の煮物や、お菓子作り、天ぷらなど、油の風味をつけずにカラッと仕上げたい場合には、太白ごま油が最適です。素材そのものの風味を前面に出したい料理に向いています。
  • 料理にコクや風味を加えたい場合 → オリーブオイル パスタやアヒージョ、肉や魚のソテーなど、オリーブオイル特有のフルーティーな風味やコクを料理に加えたい場合は、当然ながらオリーブオイルが適しています。特にエクストラバージンオイルを使えば、料理が一段と本格的な仕上がりになります。
  • 揚げ物での比較 揚げ油として使う場合、太白ごま油で揚げると、クセがなくサクッと軽い食感に仕上がります。一方、ピュアオリーブオイルで揚げると、ほんのりとオリーブの風味がつき、コクのある仕上がりになります。フリットなど洋風の揚げ物にはオリーブオイルが、天ぷらなど和風の揚げ物には太白ごま油が合う、という使い分けも可能です。

したがって、太白ごま油とオリーブオイルは、どちらも優れた調理油ですが、「風味をつけない万能性」を求めるか、「特有の風味を活かす」ことを求めるかによって、その最適な用途が異なってきます。

 

ごま油を炒めたらダメな理由は何ですか?

 

「ごま油を炒めたらダメ」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは一概に正しいとは言えません。むしろ、ごま油は中華料理などで炒め物の風味付けに頻繁に使われており、その香ばしさを引き出すためには加熱が必要です。この疑問が生じる背景には、油の「酸化」と「発煙点」が関係しています。

 

油の酸化という観点

 

油は、光、熱、酸素に触れることで酸化が進み、品質が劣化します。特に、ごま油の主成分であるリノール酸のような多価不飽和脂肪酸は、オリーブオイルのオレイン酸(一価不飽和脂肪酸)に比べて化学構造的に不安定で、酸化しやすい性質を持っています。

高温で長時間加熱すると、この酸化が促進されます。酸化した油は、風味が損なわれるだけでなく、体内で有害な過酸化脂質を生成する原因となり、細胞の老化や生活習慣病のリスクを高める可能性があります。

「炒めたらダメ」という説は、この酸化のリスクを過度に懸念したものと考えられます。ただし、ごま油にはセサミンなどの抗酸化物質が含まれており、これが酸化を防ぐ働きをするため、他の多価不飽和脂肪酸が豊富な油(例えば亜麻仁油など)に比べれば、加熱に対する耐性は持っています。

 

発煙点という観点

 

発煙点とは、油を加熱した際に煙が出始める温度のことです。この温度を超えると、油の成分が分解され、風味を損なうだけでなく、体に有害な物質が発生する可能性もあります。

一般的な調理油の発煙点は以下の通りです。

  • 精製ごま油・ピュアオリーブオイル: 約210℃~230℃
  • エクストラバージンオリーブオイル: 約170℃~190℃

通常の炒め物の温度は160℃~180℃程度なので、精製されたごま油やピュアオリーブオイルであれば、発煙点を大きく下回っており、全く問題ありません。

注意が必要なのは、エクストラバージンオリーブオイルです。精製されていないため発煙点が低く、高温の炒め物や揚げ物には向いていません。風味を活かすためにも、低温での調理や仕上げに使うのが適しています。

 

賢いごま油の使い方

 

以上のことから、「ごま油を炒めたらダメ」というのは誤解であり、正しくは「過度な高温で長時間の加熱は避けるべき」ということです。

炒め物にごま油を使う際は、以下の点を心がけると良いでしょう。

  1. 仕上げに使う: 炒め物の最後に火を止めてから回しかけることで、酸化のリスクを最小限に抑えつつ、香りを最大限に活かすことができます。
  2. 他の油と併用する: 最初に米油やキャノーラ油などの加熱に強い油で食材を炒め、最後にごま油を加えて風味付けをする、という方法も非常に効果的です。

要するに、ごま油は炒め物に問題なく使えますが、その香りと健康効果を最大限に享受するためには、加熱しすぎない工夫が有効であると言えます。

 

ごま油は毎日食べても大丈夫?

 

ごま油を日常的に料理に使う方にとって、「毎日摂取しても健康上の問題はないのだろうか」という点は気になるかもしれません。この問いに対する答えは、「適量であれば問題なく、むしろ健康に良い面もあるが、過剰摂取とバランスには注意が必要」となります。

 

摂取量の重要性

 

まず大前提として、ごま油は脂質であり、高カロリーです。前述の通り、大さじ1杯で約110kcalあります。毎日大量に摂取すれば、カロリーオーバーとなり体重増加の原因になります。健康を維持するためには、1日の総脂質摂取量を適切に管理することが不可欠です。

厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準」では、脂質の摂取目標量を総エネルギー摂取量の20~30%としています。例えば、1日の摂取カロリーが2000kcalの人の場合、脂質からのカロリーは400~600kcal、グラムに換算すると約44~67gが目安となります。ごま油だけでなく、肉や魚、乳製品、その他の調理油など、食事全体から摂取する脂質の量を考慮し、ごま油の使用量を調整することが大切です。具体的には、1日に大さじ1~2杯程度が一つの目安になるでしょう。

 

脂肪酸バランスの観点

 

もう一つ重要なのが、脂肪酸のバランスです。ごま油の主成分であるリノール酸は「オメガ6系脂肪酸」に分類されます。一方で、青魚に多く含まれるEPAやDHA、えごま油や亜麻仁油に含まれるα-リノレン酸は「オメガ3系脂肪酸」です。

これらの脂肪酸は体内で互いに拮抗する働きがあり、健康維持のためにはその摂取バランスが非常に大切です。理想的なオメガ6とオメガ3の摂取比率は「2:1」から「4:1」程度とされています。

しかし、現代の一般的な食生活では、オメガ6系脂肪酸を多く含むサラダ油や加工食品を摂取する機会が多く、その比率が「10:1」以上に偏りがちであると指摘されています。オメガ6の過剰摂取は、体内の炎症を促進したり、アレルギー症状を悪化させたりするリスクを高める可能性があります。

したがって、ごま油を毎日摂取すること自体が問題なのではなく、食事全体としてオメガ6系脂肪酸に偏りすぎていないか、という視点を持つことが肝心です。ごま油を日常的に使うのであれば、意識して青魚を食べたり、ドレッシングに亜麻仁油を使ったりするなど、オメガ3系脂肪酸を補う工夫をすることが、より健康的な食生活につながります。

これらの理由から、ごま油は適量を守り、脂肪酸のバランスを意識すれば、毎日食べても問題ありません。

 

結局ごま油は健康に良いですか?

 

ごま油が健康に良いかどうかは、そのメリットとデメリットを両方理解した上で、どのように食生活に取り入れるかによります。一方的に「良い」「悪い」と断定できるものではなく、使い方次第でその評価は変わってきます。

 

ごま油が健康に良いとされる理由(メリット)

 

ごま油が健康に寄与する最大の理由は、特有の抗酸化成分「ゴマリグナン(セサミンなど)」の存在です。

  • 強力な抗酸化作用: セサミンは、体内の活性酸素を除去し、細胞の酸化を防ぐ働きがあります。これにより、老化の進行を緩やかにしたり、生活習慣病を予防したりする効果が期待されます。
  • 肝機能のサポート: セサミンは特に肝臓で効率的に働くことが知られており、肝臓を酸化ストレスから守ります。アルコールの代謝を助ける働きも報告されており、肝臓の健康維持に貢献する可能性があります。
  • ビタミンEの働きを助ける: ごま油に含まれるビタミンEはそれほど多くありませんが、セサミンがビタミンEの分解を防ぎ、その抗酸化作用を高める相乗効果があると言われています。

これらの成分は、適量のごま油を摂取することで、健康維持の助けとなるでしょう。

 

ごま油の健康面での注意点(デメリット)

 

一方で、健康を考える上で注意すべき点も存在します。

  • リノール酸(オメガ6)の過剰摂取リスク: 前述の通り、ごま油の主成分であるリノール酸は、現代人が過剰摂取しがちな脂肪酸です。オメガ3系脂肪酸とのバランスが崩れると、体内で炎症を促進する方向に働く可能性があります。アレルギー体質の方などは特に注意が必要かもしれません。
  • 酸化のしやすさ: リノール酸は多価不飽和脂肪酸であり、比較的酸化しやすい性質を持っています。酸化した油の摂取は健康に悪影響を及ぼすため、開封後は早めに使い切る、光や熱を避けて保存するなど、適切な管理が求められます。

 

バランスの取れた見方

 

以上の点を総合的に考えると、ごま油はセサミンという他にない優れた抗酸化成分を持つ一方で、主成分であるリノール酸の摂取バランスには配慮が必要な油、ということができます。

ごま油の健康効果を最大限に活かすためには、以下のポイントが鍵となります。

  1. 摂取量を守る: カロリーと脂質の摂りすぎを防ぐため、1日大さじ1~2杯を目安にする。
  2. 脂肪酸バランスを意識する: 食事全体でオメガ3系脂肪酸(魚油、亜麻仁油など)を積極的に摂り、オメガ6に偏らないようにする。
  3. 適切な管理と使い方: 開封後は冷暗所で保存し、早めに使い切る。加熱しすぎない工夫も有効です。

要するに、ごま油は「諸刃の剣」ではなく、その特性を正しく理解し、賢く付き合うことで、私たちの健康を力強くサポートしてくれる食品であると言えます。

 

用途で選ぶ!ごま油とオリーブオイルどっちがいい?

 

これまで解説してきた内容を踏まえ、この記事の最終的な問い「ごま油とオリーブオイルどっちがいい?」に対する答えを、具体的な用途別にまとめていきましょう。どちらか一方が絶対的に優れているわけではなく、料理や目的に応じて使い分けることが最も賢明な選択です。

  • 風味を重視する場合
    • 香ばしいアクセントが欲しい中華・韓国料理・和え物には「ごま油」
    • フルーティーで爽やかな風味を活かしたいサラダ・マリネ・パンには「オリーブオイル(エクストラバージン)」
  • 加熱調理に使う場合
    • 炒め物全般に使えるが、特に風味を活かすなら「ごま油」
    • パスタやソテーなど洋風の炒め物には「オリーブオイル(ピュア)」
    • 揚げ物をカラッと軽く仕上げたいなら「太白ごま油」
    • 揚げ物にコクと風味を加えたいなら「オリーブオイル(ピュア)」
  • 健康への効果を期待する場合
    • コレステロールバランスや心血管系の健康を意識するなら「オリーブオイル」
    • 肝機能のサポートや特有の抗酸化成分を摂りたいなら「ごま油」
    • ただし、どちらも過剰摂取は禁物で、脂肪酸バランスも考慮する
  • ダイエット中に使う場合
    • 満腹感を持続させやすいオレイン酸が豊富な「オリーブオイル」がやや優勢か
    • ただしカロリーは同じなので、どちらを使うにしても量を管理することが最も大切
  • 汎用性で選ぶ場合
    • 風味をつけずに様々な料理に使いたいなら「太白ごま油」
    • 和洋中問わず、ある程度の風味を加えつつ使いたいなら「オリーブオイル(ピュア)」
  • 非加熱で使う場合
    • 香りやポリフェノールを活かすなら断然「オリーブオイル(エクストラバージン)」
    • 風味をつけずに油分だけを加えたいなら「太白ごま油」
  • コストパフォーマンスを考える場合
    • 一般的に、高品質なエクストラバージンオリーブオイルは高価な傾向
    • ごま油やピュアオリーブオイルは比較的手頃な価格帯で見つけやすい
  • 保存のしやすさ
    • オレイン酸が主成分で酸化しにくい「オリーブオイル」の方がやや管理しやすい
    • ごま油は開封後、酸化に注意し早めに使い切るのが望ましい
  • アレルギーや体質
    • アレルギー体質でオメガ6の摂取を気にしている方は「ごま油」の量に注意が必要
    • 特に体質に問題がなければ、どちらも適量を守れば安全に使える
  • 料理のジャンル
    • イタリアンやスペイン料理など地中海料理が中心なら「オリーブオイル」
    • 中華、韓国、和食、エスニック料理をよく作るなら「ごま油」
  • 栄養素で選ぶなら
    • ビタミンEやビタミンKを重視するなら「オリーブオイル」
    • 独自の抗酸化成分セサミンを重視するなら「ごま油」
  • 最終的な選び方の指針
    • 理想は両方を常備し、料理によって使い分けること
    • もし一本に絞るなら、作る料理の傾向で決める
    • 洋食が多いなら「ピュアオリーブオイル」、和・中が多いなら「太白ごま油」が万能選手
  • 覚えておくべき基本
    • 油はどれも高カロリーであり、適量を守ることが健康の基本
    • それぞれの油の特性を理解することが、料理をより美味しく、健康的にする鍵となる
  • まとめの結論
    • 「どっちがいいか」の答えは一つではなく、あなたの食生活や目的に委ねられる
    • この記事を参考に、自分にとって最適な油の選び方と使い方を見つけてほしい



この記事を書いた人

執筆者:EKO&KOH

 

どっちがいいの?各分野の専門家監修の元、あなたの選択をサポートする情報を発信しています。 この記事が、あなたにとって最適な答えを見つける手助けとなれば幸いです。

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