高速道路での移動を考える際、「山陽道 中国道 どっちが安いか」という疑問を持つ方は少なくありません。目的地までの料金はもちろんのこと、走りやすさや距離、ルートの地図上での違い、さらに渋滞の頻度や分岐の位置、所要時間やサービスエリアの充実度など、判断基準は多岐にわたります。
本記事では、「中国道と山陽道の違いは何ですか?」「山陽自動車道のメリットは?」「山陽道と中国道は繋がっていますか?」といった疑問に答える形で、両路線の特徴を丁寧に比較・整理しています。
利用目的や走行スタイルに応じたルート選びをサポートするため、各項目を分かりやすく解説していますので、初めて高速道路を長距離利用する方にも参考になる内容です。
記事の内容
- 山陽道と中国道の料金の違い
- 路線ごとの所要時間と走行効率
- 渋滞や分岐におけるルート選択の注意点
- 各道路のサービスエリアの設備や利便性
山陽道と中国道どっちが安いのか比較
高速道路の料金を比較して検証
高速道路の料金に関しては、山陽自動車道のほうが中国自動車道よりやや高くなる傾向があります。これは、走行距離の違いや道路の設計基準、交通量の差が影響しているためです。
まず、山陽道は中国道と比べて距離が短く、起点から終点までのルートが直線的です。通常であれば距離が短い分、通行料金も安くなりそうですが、実際には山陽道のほうが高規格な道路設計となっており、その分の建設費や維持費が料金に反映されている可能性があります。
一方で、中国道は山間部を縫うように走るルートのため、カーブやアップダウンが多く、道路の整備水準は山陽道に比べてやや低めです。そのため通行料金はやや抑えられており、同じ区間を移動する場合には中国道のほうが料金面では有利になることがあります。
以下に、神戸JCTから山口JCTまでの普通車における料金比較を、分かりやすい表形式でご紹介します。ETCの有無や割引適用の条件によって料金が変動することも踏まえて整理しています。
項目 | 山陽自動車道(山陽道) | 中国自動車道(中国道) |
---|---|---|
通常料金(現金) | 約13,000円前後 | 約12,000円前後 |
距離 | 約461km | 約484km |
ETC割引ありの場合の最安値※ | 条件により10,000円前後も | 条件により10,500円前後も |
ETC割引なし | 約13,000円前後 | 約12,000円前後 |
割引の適用条件 | 深夜割・休日割引など | 深夜割・休日割引など |
割引が反映される時間帯 | 0~4時台(深夜割引)等 | 同左 |
ルートの直線性 | 比較的直線的で短い | 山間部でカーブが多い |
路線の混雑状況 | 都市部通過のため混雑多い | 全体的に空いている |
※ETC料金は日や時間帯・車種・インターの出入り口によって変動するため、必ず事前にNEXCO西日本の「高速料金検索」などで確認してください。
このように、通行距離の短さや道路設計の違いにより基本料金は異なりますが、ETC割引の条件によって逆転するケースもあります。特に休日や深夜割引が使える場合は、ルートにかかわらず料金が数千円単位で変わる可能性があります。効率的なルート選びのためにも、出発前に料金シミュレーターを使って比較しておくのがおすすめです。
このように、高速道路の料金は単純な距離や区間だけではなく、道路設計・割引制度・交通状況など複数の要素が関わっています。移動の目的やルートに応じて、最適な道路を選ぶことがコストの抑制につながります。
所要時間とガソリン代の違い
山陽道と中国道を比較すると、所要時間とガソリン代に差が出るケースが多く見られます。どちらを選ぶべきかは、優先したい条件によって変わってきます。
まず、所要時間に関して言えば、渋滞がなければ山陽道のほうが速く走行できます。理由は、山陽道のほうが距離が短く、線形(道路の曲がり具合や勾配)が比較的良いため、スムーズな走行が可能だからです。さらに、一部では法定速度が高めに設定されている区間もあるため、全体の移動時間が短くなりやすい傾向があります。
例えば、福岡から大阪までを移動する場合、山陽道経由はおおよそ23kmほど中国道より短くなります。単純に考えれば、それだけでも時間と燃料消費を抑えられることになります。
一方で、中国道には交通量が少ないという特徴があります。これは特に走行中のペースを安定させたい人にとって大きなメリットです。一定速度で巡航しやすいため、アクセルとブレーキの操作が少なく済み、ガソリン代が結果的に抑えられることもあります。実際、クルーズコントロールを活用しやすいという点では、中国道に軍配が上がるでしょう。
ただし、中国道は山間部を走るため、上り下りの勾配が多く、急カーブも多いです。このような地形はエンジンに負荷をかけやすく、燃費が悪化する原因にもなります。また、冬季には積雪の影響を受ける可能性があるため、スムーズな走行ができずに時間がかかることもあります。
このように考えると、短時間で目的地に到着したい方は山陽道、交通の流れに左右されず一定ペースで走行したい方は中国道が向いています。どちらも一長一短あるため、季節や交通状況、自身の運転スタイルに合わせて選ぶのが現実的です。
ガソリン代については、道路の勾配や信号の有無、交通量の影響を受けるため一概にどちらが安いとは言い切れません。ただし、一般的には直線的で距離が短い山陽道の方が、ガソリン消費は少なめになる傾向があります。これは信号がなく、走行効率の高い高速道路の特性が反映された結果です。
いずれにしても、事前にルート検索アプリやナビで混雑状況と距離、燃費予測を確認することで、より合理的な判断ができるでしょう。
通行距離の差が料金に与える影響
高速道路の料金は、基本的に通行した距離に応じて加算されていきます。そのため、ルートの長さが異なる中国自動車道と山陽自動車道では、料金に明確な差が出てくることがあります。
以下に、神戸ジャンクション(JCT)〜山口ジャンクション(JCT)間の距離と料金比較を表形式でまとめました。山陽道と中国道のルート構造や道路環境の違いが、走行距離や通行料金にどのように影響しているかが分かるよう整理しています。
項目 | 山陽自動車道(山陽道) | 中国自動車道(中国道) |
---|---|---|
走行距離 | 約461km | 約484km |
経路の特徴 | 都市部を比較的直線的に通過 | 山間部を縫うように通過 |
勾配・カーブの多さ | 少なめで走行安定性が高い | カーブ・アップダウンが多い |
普通車の通行料金(現金) | 約13,000円前後 | 約12,000円前後 |
ETC利用時の料金差※ | 数百円〜1,000円程度高い可能性 | 数百円程度安くなる傾向 |
距離と設計の影響 | 高規格道路のため割高設定 | 設備簡素化により割安傾向 |
※ETC料金は曜日・時間帯・インターチェンジの組み合わせにより変動するため、実際の利用前に料金検索サービスでの確認が必要です。
このように、山陽道の方が距離は短いものの、設計グレードの高さや交通量の多さなどが料金に反映されており、結果的に数百円〜1,000円程度の料金差が生じるケースが一般的です。特に往復で利用する場合や複数台での移動時には、この差が合計で数千円になることもあるため、費用面での比較は重要な判断材料となります。
ただし、これはあくまでも「通行距離だけ」で見た場合の話です。実際の総コストには、渋滞による時間ロス、燃費効率、途中のサービスエリア利用状況なども関わってきます。
このように考えると、通行距離の違いが料金に影響するのは事実ですが、それだけを根拠にルートを決定するのは早計とも言えます。移動の目的や予算、時間的な余裕なども含めて、総合的に判断することが大切です。
渋滞ポイントの多さとコスト
高速道路を選ぶ際、渋滞の発生しやすさは重要な判断材料となります。特に長距離移動では、渋滞による時間のロスだけでなく、燃費の悪化やストレスの蓄積といったコストも無視できません。
山陽道は広島・福山・姫路といった都市部を経由するため、交通量が多く、特に行楽シーズンや連休中は頻繁に渋滞が発生します。速度が一定に保てない場面が多く、停止と発進を繰り返すことで燃料消費も増える傾向にあります。これにより、ガソリン代や移動時間が余計にかかる可能性があります。
一方の中国道は、都市部を避けて山間部を通る構造となっており、慢性的な渋滞ポイントは限られています。宝塚付近など一部の区間では混雑が見られるものの、全体としては比較的空いている道路と言えます。車の流れがスムーズであれば、燃費効率も保ちやすく、精神的にも負担が少なくなるでしょう。
ただし、空いている分だけサービスエリアの数や利便性がやや劣る面もあるため、快適性を重視する場合はあらかじめ休憩場所を調べておくと安心です。
このように、渋滞の頻度は直接的な費用には表れにくいものの、燃費や時間、ドライバーの疲労に影響するため、結果として見えにくいコストの差を生み出します。快適かつ効率的な移動を重視するなら、通行量と渋滞リスクを考慮したルート選びが求められます。
冬季の積雪による影響と走行効率
冬の高速道路を走行する際には、積雪による影響を考慮することが重要です。特に中国自動車道と山陽自動車道では、積雪のしやすさや道路状況に違いがあります。
まず、中国自動車道は山間部を通るルートであるため、冬場は雪の影響を受けやすくなります。広島県北部や岡山県西部、山口県中部の標高が高い地域では、路面が凍結したり、積雪によって速度規制やチェーン規制が行われることもあります。このような状況では、安全運転を最優先する必要があり、結果的に走行効率が大きく低下する恐れがあります。
一方、山陽自動車道は沿岸部を走るルートであるため、積雪の影響は比較的少ない傾向があります。ただし、広島県西部や山口県東部の一部区間では、大雪になることもあるため、油断は禁物です。沿岸部とはいえ一部のエリアでは冬用タイヤやチェーンの備えが必要になる場合があります。
例えば、年末年始や寒波の影響が強い日には、中国道の通行止め情報が頻繁に発表される一方で、山陽道は通行可能というケースも見られます。このため、積雪リスクの少ないルートを選ぶのであれば、山陽自動車道が適しています。
いずれにしても、冬季は気象予報や道路交通情報を事前に確認した上で、目的地までの最適なルートを選ぶことが欠かせません。積雪の程度によっては、スタッドレスタイヤの着用やチェーンの準備も忘れないようにしましょう。
山陽道と中国道どっちが安いか選び方のポイント
距離の短さで選ぶならどっち?
山陽道と中国道を比較した場合、距離の短さを重視するなら山陽道を選ぶのが一般的です。これは、両ルートとも神戸JCTから山口JCTまでを結んでいますが、山陽道の方がより直線的なルートをたどっているためです。
山陽道は瀬戸内海沿岸の都市部をつなぐように設計されており、比較的なだらかな地形を利用して効率的に通過できます。そのため、神戸JCTから山口JCTまでの距離は約461kmとされており、中国道よりも約23kmほど短くなっています。
一方、中国道は山間部を走るルートです。ルート自体が曲がりくねっている上、アップダウンも多いため、総走行距離が長くなる傾向があります。これはもともと「国土開発縦貫自動車道構想」に基づき、大都市を避けて地方の山間部を開発する目的で設計されたためです。
このように考えると、単純な走行距離だけで比較すれば山陽道の方が短くて有利といえます。ただし、距離が短くても交通量が多い時間帯やエリアを通過するため、必ずしも所要時間が短くなるとは限りません。
また、距離に伴うガソリン消費や高速料金も重要な要素です。ガソリン代に関しては、山陽道の方が距離が短い分だけ基本的に有利ですが、渋滞や加減速が多いと逆に燃費が悪化することもあります。
このため、距離の短さだけで判断するのではなく、ルートの混雑状況や運転のしやすさも合わせて考えることが大切です。距離面だけに注目するなら、山陽道のほうが効率的な選択といえるでしょう。
走りやすさ重視の人はどちら向き?
走りやすさを重視する方には、交通量の少ない中国自動車道の方が向いています。
一方で、線形の整った山陽自動車道は安定した走行を求める人に適しています。どちらを選ぶかは、運転時に何を重視するかによって変わります。
まず中国自動車道の特徴として、交通量が非常に少ない点が挙げられます。とくに山間部では対向車すら少ない場面もあり、クルーズコントロールを使った一定速度での巡航がしやすく、運転が楽に感じられます。また、追い越しの頻度が少ないため、頻繁なアクセル・ブレーキの操作に煩わされることもありません。
ただし、注意点もあります。中国道は勾配やカーブが多く、特に岡山~広島県境では急カーブが続く区間も存在します。車線も狭く、長距離トラックや初心者ドライバーには走りづらいと感じられる可能性があります。さらに、80km/h制限が多く、一部には60km/h制限区間もあるため、スピードを出したい人には不向きです。
これに対して山陽自動車道は、全体的に直線が多く、勾配や急カーブも少なめです。線形が良いため、高速道路としての「走りやすさ」は中国道よりも安定しています。特に長距離運転に不慣れな方や、運転に慎重な方にはこちらの方が安心感があります。
しかし、山陽道には別の問題点があります。それは交通量の多さです。大型トラックや乗用車が混在する中での追い越しや車線変更が頻繁に求められるため、注意力が必要です。特に福山・広島・姫路といった都市部では渋滞が起こりやすく、走行ペースが乱されやすい傾向があります。
サービスエリアの充実度を比較
山陽道と中国道を比較するうえで、サービスエリア(SA)の充実度は見逃せないポイントです。ドライバーにとって休憩や食事、給油がしやすいかどうかは、移動中の快適さを大きく左右します。
まず山陽道は、交通量の多さに比例して、サービスエリアの設備が比較的充実しています。例えば、吉備SAや小谷SA、福山SAなどはガソリンスタンドを併設し、飲食店や売店、トイレ設備も整っており、家族連れや長距離ドライバーのニーズにも対応しています。さらに、スマートインターチェンジを併設しているSA・PAもあるため、利用の幅が広がります。
一方の中国道は、交通量が少ないためか、サービスエリアの規模や設備は控えめな傾向にあります。特に広島北JCTから山口JCTにかけては、ガソリンスタンドの設置がほとんどなく、最長で約148kmもの給油空白区間が存在します。飲食施設も縮小傾向にあり、フードコートのないSAも少なくありません。
このように考えると、利便性や安心感の面では山陽道に軍配が上がります。ただし、混雑が少ない環境で静かに休憩したいという場合には、中国道のSAも悪くありません。利用の際は、あらかじめどのSA・PAにどんな施設があるのかを確認しておくと、より快適に移動できるでしょう。
トラックの多さと運転の疲労度
山陽道は中国道に比べて交通量が多く、とくに大型トラックの比率が高いため、一般ドライバーにとっては疲れやすい道だと言えます。これは物流の幹線ルートとして山陽道が利用される頻度が高いためです。
多くのトラックが走行していると、追い越しの機会が増えたり、前方の視界が遮られたりすることがあります。そのため、速度調整や車線変更の頻度が自然と増し、運転中の緊張感が続きやすくなります。こうした運転状況が長時間続くと、注意力の低下や疲労の蓄積に繋がるのです。
一方で中国道は交通量が少なく、トラックの数も控えめです。追い越し車線を塞がれる場面が少ないため、巡航速度を一定に保ちやすく、クルーズコントロールを利用しやすい環境となっています。勾配やカーブは多いものの、交通の流れに集中できる分、結果的に疲れにくいという意見も少なくありません。
このように考えると、長距離移動時の疲労を軽減したい方には、中国道の方が適している場合があります。ただし、山間部特有の道のりや一部制限速度の低い区間に注意が必要です。トラックの多さと運転負担を比較する際は、自身の運転スタイルや体力に合わせてルートを選ぶのが賢明でしょう。
給油ポイントの少なさが及ぼす影響
高速道路を選ぶ際、ガソリンスタンドの数や位置は見落としがちですが、実際の運転には大きな影響を与えます。給油ポイントが少ない道路では、計画的な運転が求められ、少しの判断ミスが大きなトラブルに発展することもあります。
まず、給油施設が限られている中国自動車道では、長距離区間にガソリンスタンドがまったく存在しないケースがあります。例えば、広島県の安佐サービスエリアから山口県の美東サービスエリアまでの約148kmには、給油可能な施設が設けられていません。この区間を走行する際は、出発前の燃料チェックが不可欠です。
また、万が一給油を忘れた場合、ガス欠のリスクが高まり、路肩に停車するなどして道路管理者やJAFの対応が必要となるケースも考えられます。これは時間的ロスだけでなく、安全面でも問題を引き起こす可能性があります。
一方、山陽自動車道では比較的サービスエリアが充実しており、給油できるポイントも複数設けられています。具体的には、三木SA、龍野西SA、吉備SA、福山SA、小谷SA、宮島SAなど、主要なSAにはガソリンスタンドが整備されています。運転中に給油のチャンスが多いことで、安心感が大きく異なります。
ただし、山陽道でもすべてのサービスエリアにガソリンスタンドがあるわけではないため、油断は禁物です。事前にルートとSA・PAの設備を調べておくことが、安全で快適な走行には不可欠です。
このように、高速道路を選ぶ際は、距離や料金だけでなく、給油ポイントの有無も重要な比較要素となります。特に長距離移動や給油タイミングがシビアな車種に乗っている場合には、より慎重なルート選びが求められるでしょう。
地図と分岐から見たルート選び
高速道路を選ぶ際、地図と分岐の位置関係を把握しておくことはとても重要です。なぜなら、どちらのルートを選ぶかによって移動距離や経由する都市、さらには合流・分岐の混雑状況まで変わってくるためです。
以下に、山陽道と中国道の地図上のルートや分岐・アクセス性に関する比較表を作成しました。沿岸部の都市アクセスや混雑ポイント、分岐の多さといった観点から、それぞれの特徴が明確に把握できるように整理しています。
比較項目 | 山陽自動車道(山陽道) | 中国自動車道(中国道) |
---|---|---|
接続地点 | 神戸JCT〜山口JCTで中国道と接続 | 同上 |
地図上のルート | 瀬戸内海沿いを通過し都市部を直線的に結ぶ | 内陸部の山間地域を縫うように通過 |
通過都市 | 姫路・岡山・広島・岩国などの大都市 | 津山・三次・新見など中小都市 |
都市部へのアクセス性 | 各都市の近くにICが多数ありアクセスしやすい | 都市から離れており連絡道や一般道が必要 |
分岐の多さ | 分岐が多く支線高速とも連携 | 分岐が少なく経路はシンプル |
各都市への利便性 | 寄り道や観光にも向いている | 主要都市への到達には時間がかかる場合がある |
混雑ポイント | 広島・福山・姫路など都市部付近で渋滞が多発 | 宝塚IC周辺が慢性的に混雑 |
混雑緩和対策 | 特になし(混雑傾向が継続) | 新名神開通により神戸周辺の渋滞がやや緩和 |
経路選びのしやすさ | 分岐が多いため事前のルート確認が必要 | 経路が単純でルート選びが比較的シンプル |
どんな人に向いているか | 都市部を訪れる人、観光や買い物目的の人 | 混雑を避けたい人、静かな道を好む人 |
この表からわかるように、都市部へのアクセスや分岐の多さを重視するなら山陽道、混雑の少なさと単純なルート設計を重視するなら中国道が適しています。それぞれの道路の地理的な特徴と交通事情を理解することで、目的に合った最適なルートを選びやすくなります。
このように、地図でのルート確認と分岐点の把握によって、あなたの移動目的に合ったルート選択が可能になります。途中での乗り換えや休憩の計画も立てやすくなるため、事前にルート全体を見渡して選ぶことをおすすめします。
利用目的別に見るおすすめルート
高速道路を選ぶ際は、単に距離や料金だけでなく、利用する目的によって適したルートが異なります。ここでは「旅行」「ビジネス」「長距離移動」の3つの目的に分けて、中国自動車道と山陽自動車道のどちらが適しているかを整理します。
まず、家族旅行や観光目的での利用には、山陽自動車道が向いています。都市部や観光地に近いICが多く、サービスエリアも充実しているため、休憩や食事の計画が立てやすいからです。特に広島や岡山など人気観光地がルート上にあるため、寄り道にも便利です。加えて道路の線形が比較的緩やかで、トンネルやカーブの多さによる疲労も少ないのが特徴です。
一方、ビジネスなどでの効率的な移動を重視する場合は、中国自動車道を選ぶのが賢明です。なぜなら、交通量が少なく渋滞が起こりにくいため、時間を読みやすい移動が可能だからです。特に中国道は、宝塚トンネル以外の主要な渋滞ポイントが少なく、追い越しや車線変更のストレスも軽減されます。カーブや勾配が多いというデメリットはありますが、一定の速度で走行できる場面が多いため、クルーズコントロール機能を使えば安定した移動が可能です。
最後に、長距離運転で少しでも疲れを抑えたい場合は、どちらのルートを選ぶか悩ましいところです。山陽道は線形が良く走りやすい一方で、交通量が多く頻繁にブレーキを踏む場面も増えるため、精神的には疲れやすい面があります。逆に中国道は道路状況が荒れていたり、サービスエリアの選択肢が少ないという課題がありますが、交通量の少なさは大きな利点です。目的地までの時間に余裕があるのであれば、中国道を選ぶことで結果的に楽に感じる人も少なくありません。
このように、利用目的に応じて重視するポイントは異なります。「どちらが絶対に優れている」というより、「どの要素を優先するか」によって選ぶべきルートが変わってくるのです。どちらの道路にも一長一短がありますので、自分の運転スタイルや同行者の状況などを踏まえて最適なルートを選ぶことが大切です。
山陽道と中国道はどっちが安い?15項目で総まとめ:まとめ
記事のポイントをまとめます。
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山陽道は設計が高規格なため料金がやや高い傾向
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中国道は整備水準が低めで料金は抑えめ
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山陽道は走行距離が短く経路が直線的
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中国道は山間部を通るため距離が長くなる
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神戸JCT〜山口JCT間では山陽道が約23km短い
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通常料金は山陽道が約13,000円、中国道が約12,000円
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ETC割引の有無で料金が逆転することもある
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山陽道は線形が良く移動時間が短くなりやすい
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中国道は交通量が少なく一定速度で走りやすい
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勾配やカーブの多い中国道は燃費が悪化しやすい
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渋滞リスクは山陽道の方が高く燃料効率も低下しやすい
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冬季の積雪影響は中国道の方が大きい
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サービスエリアの充実度は山陽道が優れる
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中国道は給油ポイントが少なく事前準備が必須
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利用目的に応じた選択でコストと快適性が大きく変わる